とある金曜日の14時過ぎ、電車の中

とある金曜日の14時過ぎ、

一人、自宅の最寄り駅から電車に乗る。

 

秋の終わり、冬の初め頃の

本来の肌寒さは、

全空をもらさず照らす

太陽が打ち消して、

心地よい温もりが全身を覆っていた。

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次の駅に向かう車窓からは、

電柱と電線のつくる影と日なたが、

隣の線路の上を、

争うように交互に流れて行くのが見える。

 

心は平穏。

怒りも悲しみも感じない。

 

そして、時間は絶え間なく進み続ける。

この電車からの光景のように。

 

電車は目的地へ向かう。

では、私の人生はどこへ向かうのだろう?

 

私の人生も止まらず進み続ける。

目的地はどこ?

 

爽やかに晴れた午後の電車の中。

 

目的の駅に着いて、

目の前の用事に追われるように、

開いた電車のドアから

早歩き気味に

私は足を踏み出した。

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